日本の就職活動においては「ポテンシャル採用」という独特の文化が存在します。この独特な採用方式に着目し、採用側の視点から逆算して準備することが非常に重要です。
ポテンシャル採用とは
改めて、ポテンシャル採用とは、企業が学生の将来の成長性や潜在能力を重視して採用する方法です。企業は学生の学業成績や部活動、アルバイト経験だけでなく、個人の意欲やコミュニケーション能力、問題解決力などを評価します。つまり、実際の実力はどうあれ、「活躍してくれそうだな!」と思ってさえもらえれば良し。という事になります。
採用側の視点から逆算する重要性
選考対策においては、上記のポテンシャル採用をしっかりと理解し、採用側の視点から逆算することが重要です。企業がどのようなポイントに注目しているのかを理解し、それに応じた準備をすることで、効果的なアピールが可能になります。
1. 求める人物像を理解する
企業は採用において、将来的に自社に貢献できる人物を求めています。採用サイトを見ると、以下のようなキーワードが掲載されている事でしょう。
- 成長意欲: 自ら学び成長しようとする姿勢。
- 柔軟性: 変化に適応し、柔軟に対応できる能力。
- チームワーク: 他者と協力し、チームとして成果を上げる力。
- コミュニケーション能力: 明確に意見を伝え、他者と円滑にコミュニケーションを取る力。etc..
しかし、これらのキーワードをそのまま選考で使っても、全く意味がありません(たまに見かけますが。。)。「HPから拾った言葉で話してるな」というのはすぐにバレます。
“求める人物像”というのは、自社の業務は「どんな人と関わるか」「どんな働き方が必要か」「業務上どんな場面が想定されて、それを解決するにはどんな力が必要か」などといった要素を分析し、抽象的な言葉にまとめたものに過ぎないからです。つまり、抽象的な“求める人物像”を分解し、個人の業務レベルまで理解しておく必要があります。
それには、企業研究が不可欠となります。
2. 企業研究を徹底する
企業がどのようなビジョンやミッションを持っているのかを理解し、自分がその企業にどのように貢献できるかを明確にすることが大切です。企業のことを個人の業務レベルまで理解した上で、「自分はこんな場面でこんな風に活躍できます!」と具体的に示すことで、企業側に強い印象を与えることができます。
具体的な企業研究の方法については、以下の記事で解説しています。
3. 自己分析を深める
自分の強みや弱みを明確にし、それらをどう活かして企業に貢献できるかを考えましょう。過去の経験を振り返り、自分がどのように成長してきたかを整理することが重要です。これにより、面接での自己アピールが具体的かつ説得力のあるものになります。
具体的な自己分析の方法については、別の記事で改めてお伝えします。
4. 具体的なエピソードでアピールする
企業は具体的なエピソードを通じて、学生のポテンシャルを評価します。過去の経験から学んだことや、困難を克服した経験、またその時の心境の変化などを具体的に話すことで、自分の成長意欲や柔軟性、人間性を効果的にアピールできます。
ここで重要なのは、上で述べた「自分はこんな場面でこんな風に活躍できます!」という内容の根拠となるようなエピソードを話すことです。ここが紐づいていれば、あなたの入社後の活躍をより鮮明にイメージしてもらえるはずです。
「都合よくそんなエピソードないよ。。」という方もいらっしゃるかもしれませんが、視点次第でいくらでも強みは発見できます。自分が過去に頑張ったエピソードを、いろんな角度から分析してみて下さい。ここでは、過去の成果の大小は関係ありません。変に話を盛ったりすることはせずに、その企業に合わせた切り口で話せるようにしましょう。
具体的な自己PRの方法については、別の記事で改めてお伝えします。
結論
日本の就職活動におけるポテンシャル採用では、採用側の視点から逆算して準備することが成功の鍵です。企業が求める人物像を分解し、それと紐づけた自分の経験や強みを具体的にアピールすることで、企業に自分の成長性や将来性をしっかりと伝えることができます。しっかりとした自己分析と企業研究を行い、面接や書類選考に臨むことで、より良い結果を得られるでしょう。頑張って!