「やりたい事は?」なんて急に言われましても、困りますよね。。筆者も、就活当時かなり悩んだ記憶があります。ですが、就職活動をするにあたって一番時間をかけるべきフェーズであると言えます。「やりたい事」とまではいかずとも、自分が人生において大切にしたいことを見つけることは、今後の人生の指針となります。納得できる形で就活を終えて、幸せな人生の一歩を大きく踏み出すために、自分に正直に向き合ってみましょう。
今回紹介する価値観マップは、自分の「価値観」や「大切にしたいこと」を整理し、それを基に自分が本当にやりたいことや働きたい環境を見つけるためのツールです。価値観は仕事やキャリアにおいて重要な判断基準となるため、これを明確にすることで「自分が本当にやりたいこと」が見えてくるはずです。
ここでは、価値観マップの作り方と活用法を詳しく説明します。
1. 価値観マップとは?
価値観マップとは、自分が人生や仕事において何を大切にしているか、どのような要素が自分にとって重要かを可視化するためのツールです。これは、単に「お金が欲しい」や「安定した仕事がいい」といった表面的なものではなく、「何のために働きたいのか」「どんな環境で成長したいのか」といった深い部分まで掘り下げていきます。
価値観を明確にすることで、自分に合った職業や仕事のスタイル、働く場所などが見えてきます。また、キャリア選択や転職時の判断基準にもなり、迷ったときに自分を導く「羅針盤」の役割を果たします。
2. 価値観マップの作り方
価値観マップを作るには、以下のステップに従って自分の考えを整理していきます。
ステップ1: 価値観リストを作る
まずは、自分の価値観をリストアップしていきます。どんなものが自分にとって大切か、直感的に書き出してみましょう。例として以下のような価値観があります。
- お金(給与の多さ)
- 安定(長期的な雇用の保証)
- 自由(柔軟な働き方や裁量)
- 成長(スキルや知識の向上)
- クリエイティブな仕事(創造性を発揮できるか)
- チームワーク(他者と協力して働く)
- 自立(自分で決断し、成果を出す)
- 仕事のやりがい(社会的な意義やインパクト)
- バランス(仕事とプライベートの両立)
- 名誉や地位(評価やリーダーシップ)
- 冒険心(新しい挑戦や変化を求める)
リストは自由で構いません。自分が仕事で何を大切にしたいかを具体的に書き出します。一般的に5~10個の価値観を挙げると良いでしょう。そしてそれぞれの項目に対し、自ら「何故?」と深掘りしていきます。
ステップ2: 価値観を優先順位付けする
リストアップした価値観に優先順位をつけます。どの価値観が一番大切か、次に大切なのは何か、1番目から順に並べてみます。このプロセスで、どの価値観が自分にとって最も重要かが見えてきます。
例えば、「自由な働き方」が一番大事な人と、「お金」が一番大事な人では、求める仕事のスタイルが大きく異なるかもしれません。この順位づけにより、自分がどういう働き方を理想としているのかが整理されます。
ステップ3: 自分の価値観に基づいた仕事・環境を考える
優先順位がつけられたら、その価値観が満たされるような仕事や職場環境を考えます。たとえば、以下のような価値観があると、それぞれに合った仕事や環境が見えてきます。
- 自由を重視する場合: リモートワークが可能な仕事、フリーランス、裁量労働制など。
- 成長を重視する場合: 学べる機会が多い企業、研修制度が充実している環境、新しいチャレンジができる職場。
- 安定を重視する場合: 公務員や大手企業、長期的な雇用が見込まれる職種。
- チームワークを重視する場合: コミュニケーションが活発な職場、チームで働くプロジェクト型の仕事。
ステップ4: 実際のキャリアや職業と照らし合わせる
次に、価値観マップを使って実際の職業や企業と照らし合わせてみましょう。自分が興味を持っている業界や職種が、自分の価値観にどれだけマッチしているかを考えます。もし、価値観に合わない職場環境や仕事内容であれば、その選択肢を見直すことも大切です。
たとえば、「成長」が最優先の人が、安定性を重視する職場に入ると、成長のスピードが遅く感じて不満を抱く可能性があります。逆に、「安定」を重視する人が、変化の多いスタートアップ企業に入るとストレスが溜まるかもしれません。価値観マップに基づいてキャリア選択をすることで、より長く満足して働ける環境を選ぶことができます。
3. 価値観マップを活用するポイント
1. 自分の価値観は変わることがある
価値観は、人生のステージや環境の変化によって変わることがあります。例えば、学生時代は「成長」が大切だと思っていても、家庭を持つと「バランス」を重視するようになることがあります。定期的に価値観を見直し、キャリアや働き方の再評価をすることが大切です。
2. 迷った時の指針にする
価値観マップは、キャリアの選択肢が多すぎて迷ってしまった時に、判断の基準として役立ちます。「自分にとって何が一番大切か」を確認することで、最も優先すべき方向性が見えてきます。
3. やりたくないことも整理する
「やりたいことが見つからない」という場合は、逆に「やりたくないこと」をリストアップするのも効果的です。やりたくないことが明確になると、自分に合った選択肢を絞り込みやすくなります。
4. 価値観マップのまとめ方(簡単なワークシート例)
- 自分にとって大切な価値観を書き出し、深掘りする
- 例:「成長」「安定」「自由」「クリエイティブ」「チームワーク」など
- その価値観に優先順位をつける
- 1位:成長
- 2位:自由
- 3位:チームワーク
- 価値観に合った仕事や環境を考える
- 「成長」を重視 → 挑戦できるスタートアップや新規事業部
- 「自由」を重視 → フリーランスや裁量のある働き方ができる企業
まとめ
価値観マップは、自分が大切にしているものを視覚化し、それに基づいて仕事やキャリアの選択を行うための強力なツールです。特に「やりたいことがわからない」と感じている人にとっては、自分の価値観を整理することが一つの大きなヒントとなります。価値観を明確にすることで、自分に合った働き方や職場環境を見つけやすくなるでしょう。