コラム

同じ質問は使ってOK!逆質問の極意

同じ質問を繰り返すのはNG?立場の違いで見える「企業の本音」

就職活動中、面接や企業説明会で「一度使った逆質問は使えない。。」と考える学生も多いかもしれません。しかし、実は同じ質問を異なる立場の人に投げかけることで、企業の内情をより深く理解できることがあります。

例えば、人事部と現場の社員では、同じ会社にいても見ている景色や価値観が異なります。そこで、立場の違う人たちに同じ質問を繰り返すことで、より立体的に会社の実態を知ることができるのです。

今回は、同じ質問をあえて繰り返すことのメリットとその具体的な手法について解説します。


1. 立場が違えば答えも違う:視点の違いを理解する重要性

会社にはさまざまな役職や部門が存在し、そこで働く人々の視点や意見は異なります。例えば、同じ「会社のビジョン」に関する質問でも、人事部の担当者と現場の社員では答えが違ってくるかもしれません。

  • 人事担当者の答え:企業全体の方針や理念を広く説明し、採用に向けたメッセージを強調します。
  • 現場の社員の答え:実際に日々の業務を通じて感じる会社の方向性や、具体的な実務に基づいた視点で話すことが多いです。

こうした異なる視点を比較・分析することで、企業のビジョンや文化、日々の業務にどのように反映されているのかが見えてきます。

例:

  • 「会社の成長戦略についてどう思いますか?」という質問を、1次面接では人事部に、2次面接では現場の社員に尋ねてみる。
  • 両者の答えを比較することで、企業の公式な方針と現場の実感にどれだけギャップがあるのか、または一致しているのかを確認できます。

2. 企業の本音が見えてくる:現場と人事の温度差を知るメリット

同じ質問を繰り返すことで見えてくるのは、企業の本音です。表面的には企業の方針やビジョンが一貫しているように見えても、実際に現場で働く社員の感じ方が違うこともあります。この「温度差」を理解することで、より企業の実態に近い情報を手に入れることができるでしょう。

例:

  • 人事担当者は「当社は社員のワークライフバランスを重視しています」と語ったとします。
  • しかし、現場の社員に「ワークライフバランスは実際にどのように保たれていますか?」と聞くと、「プロジェクトによっては忙しく、なかなか休みが取りづらいこともあります」と、実務のリアルな状況を教えてくれるかもしれません。

このように、異なる立場からのフィードバックを受けることで、企業の方針が現場でどのように機能しているのかが明確になります。


3. 比較・分析する力をアピールできる

同じ質問を異なる立場の人に投げかけ、それをもとに企業の状況を分析することは、あなたのリサーチ力や分析力のアピールにもつながります。企業の話をただ受け入れるのではなく、自分なりに考察を深める姿勢は、面接官に「この人は問題解決能力があり、しっかりした視点を持っている」と思わせることができます。

例: 「1次面接で貴社のビジョンについて人事部の方に伺いましたが、現場で働く社員の方々からも少し違った視点でのお話を聞きました。その中で感じたのは、貴社はビジョンを掲げつつも、現場に柔軟な対応を許容している点です。これは私にとっても魅力的な環境だと感じました。」

このように、比較・分析を元にした具体的なフィードバックを企業に伝えることで、面接の場でも他の候補者との差別化ができます。

実践方法:同じ質問を効果的に繰り返すコツ

(1) 質問の内容を明確にする

まず、どの質問を繰り返すかは慎重に選びましょう。企業の方針やビジョン、具体的な業務内容など、会社の内情に直接関わる重要な質問を選ぶと効果的です。

(2) 異なる立場の人に話を聞く

人事担当者や管理職、現場の社員など、異なる立場の人々に同じ質問を投げかけてみましょう。会社説明会やOB・OG訪問、インターンシップの際にそれぞれの立場の人に話を聞く機会があるかもしれません。

(3) 答えを比較・分析する

聞いた内容をそのままにせず、ノートやメモに書き留め、後で比較・分析しましょう。人事担当者が語った内容と現場社員の意見の違いや共通点を見つけることで、企業の実態に対する理解が深まります。

(4) 最終面接でアピールする

最終面接など、選考が進むにつれて、比較・分析した結果をもとに、企業の文化や方針に対する自分の考えをアピールしましょう。「この会社で働きたい」という熱意が、より具体的な根拠を持って伝わります。

結論:同じ質問を繰り返すことの真のメリット

就職活動で「同じ質問を繰り返してはいけない」と思われがちですが、実は異なる立場の人に同じ質問をすることで、企業の内情をより深く理解できるというメリットがあります。立場ごとの違いを把握し、その情報を比較・分析することで、企業に対する理解が立体的になり、最終的により適切なキャリア選択が可能になります。

さらに、この手法を通じて、企業の内情をしっかりと把握し、分析できる力を面接でアピールすることで、自分自身の成長意欲や分析力を示し、面接官に好印象を与えることができるでしょう。

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